福岡県立図書館は福岡市東区にある県立図書館です。現在の本館の建物は、1983年4月に完成、別館は1995年4月に完成しています。
11月2日付の記事でも取り上げましたが、こちらは共同取材で、「」を運営されているjabonex氏と一緒に訪れました。
今日は福岡県立図書館のトイレを紹介します。
■福岡県立図書館 別館1階トイレ
洗面台はカウンター式でTOTOのL521を2台使用しています。蛇口はハンドル式単水栓を使用しています。
小便器はTOTOのU37(壁掛式)を3台使用しています。洗浄装置は押しボタン式フラッシュバルブによる個別洗浄です。TOTOのU37は戦前・大鷲マーク時代から製造されていた壁掛式小便器で、当初は丸み帯びた形状でした。1959年ごろに中期型に切り替わり、1970年代前半には後期型に切り替わり3段階でモデルチェンジされました。中期型と後期型では形状は同じとなっていますが、中期型は初期型と同様、本体側面に窪みがあります。こちらで設置されているものは比較的よく見る後期型となります。
大便器個室は和式1室、洋式1室の2室です。大便器はTOTOのC375V+S670を使用しています。先述のよう、別館は1995年に開館したことになっていますが、便器はC375Vで色はTOTOのアイボリー(#54R)です。1995年の時点ではC375Vは廃番になっていて(旧)アイボリーも廃番となっていますが、代理店の在庫の関係で開館の3年前に廃番となった機種・色が使用されているのでしょうか。
洋式便器はTOTOの洗落し式便器C420+S517を使用しています。
■別館1階多機能トイレ
多機能トイレは男女共用1室のみです。構造や間取りは一般的な多機能トイレより変わっています。
多機能トイレの便器はLIXIL (INAX) のサイホンゼット式便器C-5Rを使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブを使用しています。便器は一度取り替えられたらしく、以前は同社C48ASまたはC48SRを使用していたのではないかと思われます。小型手洗器はTOTOのL21Nを使用しています。蛇口は衛生水栓を使用しています。
多機能トイレには小便器も設置されています。小便器はTOTOのU29を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブを使用しています。洗面台はTOTOのL221を使用しています。蛇口はハンドル式単水栓を使用しています。
奥から出入口を見た様子です。
■別館2階トイレ
2階のトイレは1階のトイレよりも広めで器具も多いです。洗面台はカウンター式でTOTOのL521を使用しています。蛇口はハンドルをお願い致します。
洗面台のハンドルがなぜか昔のものを使用しています。この手のハンドルは同社L305・L223用となっいますが、L521に使用されています。
小便器はTOTOのU29(床置式)を1台とU37(壁掛式)を4台の計5台を使用しています。洗浄装置は押しボタン式フラッシュバルブによる個別洗浄です。
大便器個室は和式1室(和式2室だったかもしれない)と洋式1室の2室(？)です。和式便器はTOTOのC375V+S670を使用しています。
洋式便器はTOTOの洗落し式便器C420+S517を使用しています。
■本館1階トイレ
続いて本館のトイレの紹介です。本館1階には2か所にトイレがあります。まず1か所目のトイレです。こちらは洗面・小・大各1の小規模なトイレとなっています。洗面台は住宅などで使用されているものを使用していますが品番は不明です。
小便器はTOTOのU307C(床置式)を使用しています。洗浄装置は押しボタン式フラッシュバルブを使用しています。
大便器個室は洋式で、TOTOのCS220B+SH220BASを使用しています。
■本館1階トイレ (2か所目)
洗面台はカウンター式でTOTOのL331を使用しています。蛇口はハンドル式単水栓を使用しています。
小便器はTOTOのU53(床置式)を1台とU37(壁掛式)を3台の計4台を使用しています。洗浄装置はハイタンクによる一斉自動洗浄です。
小便器洗浄用のハイタンクはTOTOのS409B(貯水量8L～12L)を使用しています。小便器を4台設置する場合は同社S408Bを使用するはずですが、なぜかS409Bが使用されています。小便器4台に対してS409Bは力不足な気がします。
大便器個室は和式1室、洋式1室の2室です。和式便器は別館と同じくTOTOのC375V+S570を使用しています。
洋式便器はTOTOのCS220B+SH220BASを使用しています。元々は和式2室だったのではないかと思われます。
■本館1階多機能トイレ
本館1階の多機能トイレは、当時使用中だったため取材していませんでしたが、Twitterで相互フォローのDeleted氏より、画像をお借りすることができました。多機能トイレは男女共用1室のみです。便器はTOTOのC48 (C48SR) を使用しています。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブ(初代)を使用しています。
※写真はDeleted氏提供につき無断転載お断り
オストメイト対応設備はTOTOのSK35を使用しています。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブを使用しています。こちらの多機能トイレには手洗器や洗面台は設置されておらず、オストメイト対応設備と兼用になります。おそらくオストメイト対応設備は後年になって増設されたもので、元々設置されていた洗面台を取り外してオストメイト対応設備と置き換えたのではないかと思われます。
※写真はDeleted氏提供につき無断転載お断り
本館2階トイレ
洗面台はカウンター式でTOTOのL331を使用しています。蛇口はハンドル式単水栓を使用しています。
小便器はTOTOのU53(床置式)を1台とU37(壁掛式)を2台の計3台を使用しています。洗浄装置はハイタンクによる一斉自動洗浄です。
小便器洗浄用のハイタンクはTOTOのS409Bを使用しています。
大便器個室は和式1室、洋式1室の2室です。和式便器はTOTOのC375V+S570を使用しています。
洋式便器はTOTOのCS220B+Sh220BASを使用しています。こちらも以前は和式だったようです。
■本館2階多機能トイレ
多機能トイレは男女共用1室のみです。便器はTOTOのサイホンゼット式便器C48 (C48SR) を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブを使用しています。フラッシュバルブは取り替えられたらしく、初代自動フラッシュバルブ用のセンサーが残っています。洗面台はTOTOのL103を使用しています。蛇口はレバーハンドル式単水栓を使用しています。
本館1階にも多機能トイレがありますが、当時使用中だったので取材していません。
【コメント】
トイレは洋式化された箇所などを除きほとんど当時から使用されていますがきれいです。
コメント
コメント一覧 (14)
久しぶりのブログへのコメントになりすみません…。
全体的に昭和の雰囲気漂うトイレですね。U29やU53ならばまだまだ見かける事の多い機器ですがU37は街で見かけるのはほとんどU370ですならね…。こちらもやや珍しさがありますね。
多目的トイレはC48系だった可能性はありそうですね。ただここは唯一洗浄便座(しかも乾燥付きのCW-K43-C)にオートフラッシュCの組み合わせで現代風ですね。ただC-5RでC-P15系などではないのがまだこの雰囲気に馴染んでる気がしますね。
C420の便座(TC261ですかね？)の金属の固定金具であったりL521の水栓も古さを感じますし貴重な物ですね。
後半の連立洗浄も見所ですし、この雰囲気にピュアレストQRがあるのが場違いな感じがしますね…。
U307の場所の手洗器はL220をカウンター式にしたような感じですね。この手の収納一体型の手洗器の品番はコメットでもヒットしないパターンが結構あるんですよね…。(L500DKUやL601など) 品番はだいたい下の収納部分開ければ分かるのですが書いてないのはキツイですよね…。
toyofan909
が
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便器や内装など本館も別館も古そうですが、経年の割にはとてもきれいにされていますね。
別館に関しては1995年開業のようですが、設置されている便器や内装など仮に1995年に竣工したと考えるとちょっとおかしい感じがします。むしろ便器のカラーやU29やU37にC375V、それに大便器の洗浄レバーなど1980年代の雰囲気が漂っています。図書館としての開業は1995年だとしても建物自体はもっと前からあって別の用途で使用されていたのではないでしょうか。または参考文献が1995年と1985年を間違えているとか…。
toyofan909
が
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ただ別館は1995年4月に完成したとのことなのですが、〄マーク焼印があることや和式個室のS570B(S570とあったものの、タンク自体が分厚いので防露仕様のS570Bの誤りでは？)のTOTOマーク焼印位置からして、別館のほうが古いのではないかと思います...（1970年代末～1980年代初頭前後完成と推測）。まさかのまさかで別館は1995年開館ではあるものの、居抜き物件ということはないかな？
別館多機能トイレには小便器が設置されているとのことなのですが、私の見た範囲だとJR高崎線深谷駅や帯広百年記念館の多機能トイレにも小便器が設置されていたと思いますね（深谷駅のは男性用トイレに自動洗浄小便器US401CSが設置されており、多機能トイレに手摺り付きの自動洗浄小便器US301CSが設置されていたので子供用の位置付けだと思われるものの、帯広百年記念館のは男性用トイレにU306とU308{子供用？}が併設されており、多機能トイレに手摺り付きのU306が設置されていたので、子供用ではなく高齢者や怪我人等向けに設置されてそうかな）。
toyofan909
が
しました
全体的に1970～1980年代の公共施設のトイレといった感じですね。
他の方もおっしゃっているように、別館については写真の器具を見ると1995年完成ではなく、それ以前から使われているような気がします。
ちなみに、写真にある洗面化粧台の陶器部分の品番は、おそらく「L542」系ではないかと思います。このタイプの洗面化粧台は1970～1980年代の住宅などでよく見かけますが、公共施設で使用されているのは初めて見ました。
洗面化粧台の陶器部分については、洗面化粧台の品番とは別に陶器部分のみの品番がありますが、COM-ETではほとんどヒットせず、古いカタログなどの資料でかろうじてわかるといった感じで、まだまだ謎が多いです。
toyofan909
が
しました
行く前にトイレが古そうだと話をしていましたが、実際古いままで残っていましたね。
小便器用のハイタンクにセットされていたセンサーですが、COM-ETに品番が載っていました。TES1BRだそうです。
こちら(https://www.lib.pref.fukuoka.jp/hp/tosho/history.htm)によると、別館はもともと県議会会館だったようです。
1995年完成にしては器具が古いということですが、図書館別館として改装される際、トイレは手をつけられなかったのではないかと思われます。
toyofan909
が
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しばらくです、コメントありがとうございます。本館・別館と昭和らしさのあるトイレですね。確かにU29やU53は今でも所々見ますがU37はそろそろ珍品の領域にかかりつつありますね。U370も多くはないですがU37よりは見かけますね。
仰られている通り多機能トイレはC48系だった可能性は高いです。C-5Rは形も旧来のままですからこの場にはあっていますね。記事に追記しましたが、本館1階多機能トイレにも温水洗浄便座があるそうです。
C420の便座はTC261ではないかと思われます。C420で蓋のない便座を使用しているのは滅多に見ません。TC272Zなどと同様の金具や水栓の金具も滅多に見ないので貴重ですね。
一斉自動洗浄は見所ですね。確かに本館の洋式化された箇所はピュアレストQRですが場所には合わないですね…。しかし既存器具と色が同じなのはズレがないのでこれはこれでいいような気がします。
狭いトイレでは住宅向けの洗面化粧台が使用されているところもよくありますね。確かにL220をカウンター式にしたようなものですが品番は気になりますね。これらはヒットしないどころか問い合わせても品番不詳とされる可能性があります。E-Extra氏が1年ほど前にユニットバス専用の便器について問い合わせると品番不詳とされたことがあったので陶器単品じゃないものは何かしら盲点があるような気がします。
toyofan909
が
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本館、別館とトイレは30年以上経っているわりにはきれいです。
別館はWikipediaでは1995年に開設していることになっていますが、年代に食い違いがあります。#54Rアイボリー、U37、C375V、洗浄レバーなど80年代の雰囲気が漂っているうえにこれらは1995年の時点では廃番になっているはずですが…。仰られている通り、1995年から使用されているにしても建物はそれより前からあったかあるいは誤りではないかと思われます。
toyofan909
が
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今時和式があるのも珍しいですし普通便座もあまりみなくなりましたね
図書館にしてはかなり数もあるので緊急時の時とかでも使えますね！
toyofan909
が
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他の方も仰られている通り昭和を感じさせるトイレですね。S670ではなくS670Bということですね。訂正しておきます。本館のロータンクはS570Bなのですね。恥ずかしいながらロータンクは品番ステッカーを見ない限りは相違点がつかめず、そういうのはあまり確認していません…。本当にそれですね、1995年完成にしては器具の年代が一致しませんので…。似たようなことだと、昨年7月に調査したJR紀伊田辺駅のトイレ( http://toyofan909.livedoor.blog/archives/7083490.html )も同じような年代の食い違いがありました。紀伊田辺駅は現在の駅舎が2019年に完成したことになっていますが、こちらと同じように器具の年代に食い違いがありました。多機能トイレに小便器を設置しているのは私も見たことがあります。U307CやU309Cは所々見かけますが、U306が多機能トイレに設置されているのは1度だけ見たことがあります(現存しないと思われる)。
toyofan909
が
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返信がかなり遅れ申し訳ございません。他の方も仰られている通り別館はそれ以前からあったのではないかと思われます。
L542かもしれないということでしょうか。それはわかりませんでした。
確かに洗面化粧台は陶器部だけでは基本的にヒットしないですね。洗面化粧台の陶器部ですが、TOTOに問い合わせても不明のままという可能性【大】ですね。
toyofan909
が
しました
返信が遅れて申し訳ありません。仰られている通り和式が残っているのは珍しいですね。
公共施設ですから、緊急時にも使用できるかと思います (場合によると思いますが) 。
toyofan909
が
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こちらも一緒に行きましたね。仰られている通り、古いままでしたね。公共施設ですから古いトイレが残っていても不思議ではありませんね。ハイタンクのセンサーはTES1BRというのですか。私の場合は電子機器の品番には疎いので勉強しなければいけないと思っています。なるほどです、別館は元々は県議会施設だったということですね。1995年に別館として改修される際にもトイレはそのままだったということですね。
toyofan909
が
しました