今日は、TOTO株式会社、株式会社LIXIL、メーカー不明となる旧メーカーのロゴ3社の歴代ロゴマークについて解説したいと思います。

これは13年前の2006年、東府中の住人さんが2004年のBlog開設からエントリー数100を記念して同BlogでTOTO、LIXIL、Janis、日本陶業の4社の歴代ロゴを2006年2月13日付の記事で解説していたのを参考にさせて頂きました。

さて、今回なぜ突然、当Blogで過去に他の方が取り上げられた歴代ロゴマークについて当Blogでも取り上げるかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、当Blogを解説した当初から古典的トイレや骨董品となる旧型トイレ、数多くの汲み取り式トイレの探索を行うことにより、これまでに見たことのないロゴなどに出会い、改めてトイレメーカーの歴代のロゴにも興味を持つようになりました。
東府中の住人さんの歴代ロゴマークの解説から13年9ヶ月が経過しましたが、特にLIXILではロゴマークの変化がありました。

13年前の東府中の住人さんのBlog解説から改めて当Blogでも歴代のロゴマークについて紹介したいと思いますが、こちらではタイトルの通り、TOTO株式会社、株式会社LIXIL、その他のメーカー1社(現存しないと思われる)の3社のメーカーについて紹介したいと思います。
またこちらではTOTOのデザインシリーズの掲載はしません。

参考にさせて頂いている、東府中の住人さんのBlog記事はこちらをご覧ください→http://blog.livedoor.jp/localforfuchu/archives/50433606.html



■TOTO株式会社

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TOTO株式会社は日本最大手のトイレメーカーで日本でこのTOTOを知らない方はいないと思います。
1917年に東洋陶器株式会社として創業、1970年には東陶機器株式会社に社名変更され、2007年には現在のTOTO株式会社に社名変更されました。
日本の大半の施設でこのTOTO製の衛生器具が導入・設置されている他、海外でも事業所を展開しています。



■歴代ロゴマーク

■基本

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TOTOの現行ロゴです。
1969年に制定されました。
2007年に東陶機器株式会社からTOTO機器株式会社に社名変更される際にもロゴは変わることはありませんでした。
このマークは平付ロータンク S31に刻印されていました。


■過去のロゴマーク

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初期TOTOマークです。
1969年、商標がToyotokiマークからTOTOマークに切り替わってしばらくはこのように自体の薄く、標準のTOTOロゴマークより自体の大きいマークを使用していました。
おそらく1971年頃まで使用されていたのではないかと思われます。
このマークは手洗器 L5に刻印されていました。



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後期Toyotokiロゴです。
1968年まで使用されたロゴよりは自体がやや太く、大きくなっていますが、1968年~1969年までわずか1年使用されたのもTOTOマークと同様、字を見やすくするのが目的だったのではないかと思われます。
このマークは和式便器 C1に刻印されていました。



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Toyotokiマークの旧ロゴで、1962年~1968年まで使用されていました。
筆記体で書かれています。
1962年、大鷲マークから切り替わり、1968年に自体の大きい後期Toyotokiマークに切り替わるまで使用されました。
TOTOによるとこのマークは「東洋陶器」のイメージの強化を図るため、製品によって異なっていた商標を統一したとのことでした。
このマークは壁掛小便器 U37に刻印されていました。



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大鷲マークです。
大鷲マークも大半のトイレメーカーが動物やその他のロゴを使用していた1960年代前半まで使用されていました。
TOTOのホームページなどによるとこの地球の上に立った大鷲の意味は世界に向けてはばたく会社の意味を思い表していたそうです。
大鷲マークは1921年~1962年までの40年以上に渡って使用されましたが、1921年~1928年頃に使用されていたロゴマークは1917年、東洋陶器株式会社が一番最初に使用した、リボンマークと同様、社名である東洋陶器株式会社を英訳したORIENTAL CERAMIC WORKS LTDの表記との表記を使用していましたが、1928年からは画像のTOYO TOKI CO.LTDの表記を使用するようになりました。
戦時中の一時期は、CO.LTDが敵国の言葉であることからKAISHAと変えていたこともありました。
このマークは仕切板 A100に刻印されていました。



■株式会社LIXIL

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TOTOについで規模の大きなトイレメーカー、LIXIL(INAX)です。
1924年に伊奈製陶株式会社として創業、1985年に株式会社INAXに切り替わり、2011年にはINAXを含む他メーカーと合併し、現在の株式会社LIXILとなりました。



■歴代ロゴマーク

■基本

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2018年に制定されたロゴです。
LIXILとINAXのマークの大きさと位置が反対になり、INAXの左側の表記をなくしました。
今回のロゴマークの変更により、これまでLIXILの表記のみ刻印されていた製品にも、このINAXのマークが使用されるようのなりました。
このマークはロータンク DT-ZA150に刻印されていました。


■過去のロゴマーク

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昨年まで使用されていたロゴマークです。
2013年からはINAXの製品にはこのように、LIXILのマークを刻印するようになりました。
中にはLIXILのみの表記のものもありました。
このマークはロータンク DT-C150に刻印されていました。



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こちらは2004年に制定されたロゴです。
2013年まで一般的にLIXILの衛生陶器に刻印されていましたが、2011年に株式会社LIXILに合併したあとも約2年はこのINAXのマークを使用していました。
このマークも上記と同様、DT-C150に刻印されていました。



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青いINAXのロゴマークです。
このマークは1985年、伊奈製陶株式会社から株式会社INAXに社名変更したときから使用が開始され、2004年までの19年間使用されていました。
このマークはINAXの製品の中では現在でも比較的よく見かけるマークかと思われます。
このマークは床置小便器 U-112に刻印されていました。



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そして、恐怖のinaマークです。
1969年、鳩マークからこのinaマークに切り替わり、1985年に「株式会社INAX」に社名変更されるまで使用されました。このマークはTOTOがToyotokiマークからTOTOマークに切り替わった頃の同時期に切り替わりましたが、おそらく、鳩マークからこのマークへ変更したのもTOTOの商標変更(ToyotokiマークからTOTOマーク)と同様、電車や自動車などの乗り物から看板やネオンを見たときに読みやすくするということがマークの変更の目的だったのではないかと思われます。
このマークは床置小便器 U-206SUに刻印されていました。



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こちらは、LIXIL(INAX)の衛生陶器のロゴマークでは最古(?)と思われるロゴです。
見ての通り、大半の衛陶メーカーが動物などのロゴを使用していた頃のロゴです。
このマークは伊奈製陶が衛生陶器の製造を開始した1945年から使用されていたのではないかと思われます。
1969年に上記の恐怖のinaマークに切り替わりました。

昭和30年代以前の衛生陶器メーカーでは動物やその他のロゴマークを使用されることが一般的で、TOTO(東洋陶器)では大鷲、Janis(西浦製陶)では象、Hokuyo(北陸窯業)ではヒトデ(?)、nitto(日本陶業)では日銀マークに似たマークと様々なロゴが使用されていました。
しかしこれらの企業では1960年代前半までに筆記体のロゴに切り替わっていますが、こちらのINAX(伊奈製陶)のみ、1960年代末まで動物のロゴマークを使用していました。
鳩マーク時代のINAXは金具にはToyotokiマークと同様、筆記体のInaseitoのロゴを使用していましたが、衛生陶器に使用されることはありませんでした。

この鳩マークは小型手洗器 L-30に刻印されていました。



■謎の衛陶メーカー(メーカー不明)

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この洗面台はTOTOのL230にしか見えない…
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、この洗面台やメーカー不明の謎の衛陶メーカーの商品です。
1年ほど前にも当Blogにて取り上げたが、気になっているマークでもあるので改めてお見せしたいと思います。



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見ての通り、地球とプロペラ機が書かれたロゴです。
しかしこの製品にはローマ字の記載がなく、メーカーは不明です。
この、地球とプロペラ機の書かれたマークも、TOTOの大鷲マークと同様、「世界へ」という意味を込めて刻印したマークではないかと思われます。
このマークと同じ製品はこの他の場所でも見たことがあり、祖母宅(1969年竣工)にもこのマークと同じ手洗器も2009年まで設置されていましたが、経年劣化と破損により、器具を取り替えました。
そのため、祖母宅にあったものは現存しません。
筆者はその他にもこのマークの刻印された和式便器(形状はTOTOのC75Aの旧型とINAXのC-354と瓜二つ)やサイホンゼット便器(形状はTOTOの旧型C150Eとほぼ一緒)、非水洗朝顔型小便器、非水洗半穴和式便器と数ヶ所でこの謎のロゴマークを目にしました。
最初に祖母宅でこのマークを見たときは海外製(?)ということも考えたが、よく考えるとこのように和式便器や非水洗便器にも刻印されたのを数ヶ所で見ているのでおそらく日本製ではないかと思われます。

いずれも、この中から述べた中では画像の場所以外は全て消滅しています。
画像の場所は沖縄県内にて撮影しましたが、当該施設は1964年頃の竣工のようでした。

このロゴマークのメーカーを知っている方はコメントにてお知らせ頂けると幸いです。